献体を用いた臨床解剖学研究・教育に関する情報公開とご協力拒否の機会(オプトアウト)
当大学では、医学の進歩と医師の教育・研究に資する目的で、慶應義塾大学篤志会会員として献体されたご遺体およびその情報(試料・情報)を利用した研究を実施しています。ご遺体から得られた試料などを使用した研究に関しては、ご本人やご遺族から個別に同意を得る代わりに研究内容の情報を公開し、参加を拒否できる機会を設けるよう、国の倫理指針で義務付けられています。研究のためにご遺体が使用されることを望まない場合は、下記「お問い合わせ先」の問い合わせ先にご連絡ください。その場合であっても、不利益を被ることは決してありません。
包括的な倫理承認課題と詳細情報
本研究群は、ご遺体を医師の臨床解剖学教育および研究に利用するための包括的な承認を土台として実施されています。
研究課題名 「医師に対する献体を用いた臨床解剖学教育および臨床解剖研究の実施」(2007年11月より)
承認番号 20070026
研究に関する詳細情報
倫理指針で定められた研究の目的、意義、具体的な解剖方法、利用する情報、プライバシー保護の方針などの詳細については、以下の掲示文書をご確認ください。
[PDFリンク]: 【掲示文書】「医師に対する献体を用いた臨床解剖学教育および臨床解剖研究の実施」(承認番号:20070026)
お問い合わせ先
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
慶應義塾大学医学部解剖学教室 献体
電話:03-3353-1211 内線:62605
承認研究課題一覧
承認番号 20070026 の承認を土台とし、別途倫理委員会の承認を得て実施されている個別研究課題を以下に掲示します。
| 承認番号 | 研究課題名 | 概要 |
|---|---|---|
| 20070026 | 医師に対する献体を用いた臨床解剖学教育および臨床解剖研究の実施(2007年11月より) | |
| 20150385 | 四肢脊椎解剖献体を用いた臨床解剖研究および運動器生体力学的研究(2016年5月より) | 本研究は解剖献体を用い、運動器の治療成績向上および新たな治療法の開発を目的とした機能解剖研究および運動器生体力学的研究を行うことを目的とする。 卒後医師が臨床的観点から解剖を行い、さらに生体力学的研究を技術者とともに行う。(整形外科) |
| 20160040 | 献体遺体を用いた頭蓋顎顔面外科surgical simulation(2016年8月より) | 盲目的な手術となる頭蓋顎顔面骨領域の手術において、術中の合併症を可及的に回避すべく、より安全な手術方法のための肉眼解剖による検討を行う。(形成外科) |
| 20160031 | 人体(献体)の摘出臓器を対象とした透明化および染色技術による3次元構造可視化の研究(2016年12月より) | ご献体の摘出臓器を透明化および染色することで、人体での末梢神経系やリンパ系、微小循環系がどのように分布しているのかを明らかにし、その結果に基づいて対象とする構造の可視化を3次元画像で行う。(放射線科) |
| 20160424 | 献体されたご遺体を用いた,肝門部領域を中心とした肝臓解剖研究(2017年3月より) | 肝門部領域の解剖学的理解を深めるため,理化学研究所の3次元内部構造顕微鏡を用いて「視覚化」するための解剖学的手法を確立する。(一般・消化器外科) | 20180020 | 人体(献体)の臓器を用いた新たな撮影装置・撮影方法の評価 (2018年5月より) | 進歩したCT等の撮影装置・方法をご献体の臓器に応用し、そこで得られた人体構造{脈管・上下肢・胸/腹/骨盤/頸部/頭部臓器・体表構造(顔面・頸部・乳房)等}を解剖学的に評価し、解剖学的評価を真として、撮影装置・方法で得られた結果を比較、検討する。(放射線科) |
| 20180111 | 手術手技ならびに解剖操作の映像記録および映像の教育活用 (2018年月より) | 手術手技ならびに解剖操作での映像を残しておくことは、教育に利用できる。より効果的な撮影記録方法を検討し、教育への応用を図る。(形成外科) |
| 20190196 | 耳鼻咽喉・頭頚部解剖検体を用いた臨床解剖研究および薬剤・機器開発研究(2019年9月より) | 概要:解剖献体を用い、耳鼻咽喉・頭頸部の治療成績向上や新たな治療法・機器の開発、機能温存を目的とした機能解剖研究および頭頸部・聴覚器の神経学的研究を行う。(耳鼻咽喉科・頭頸部外科 HP) |
| 20190304 | 献体を用いた子宮移植手術を想定した解剖学的研究(2019年月より) | 子宮移植の臨床応用を見据え、子宮移植におけるドナーおよびレシピエント手術の手術手技の修練や骨盤解剖の理解を目的として、より安全な、かつ確実な術式の検討を行う。(産婦人科) |
| 20210091 | 献体を用いた解剖学的知識の伝承をより効率化するための教材の開発(2021年6月より) | 個人が特定できるような情報は削除した上で解剖画像のデジタル化を行い、医師・学生が人体の立体構造を効率的に学べる教材の作成・検討を行う。(解剖学) |
| 20221070 | 献体遺体を用いた深下腹壁動静脈の解剖の解明(2022年月より) | 乳房再建で多用されるDIEP flap (深下腹壁動脈穿通枝皮弁)の個体バリエーションを検討することで安定した皮弁の検討を図る。(形成外科) |
| 20190287 | 献体遺体を用いた頭蓋顎顔面、体幹、四肢における口唇口蓋裂治療などに関わる組織の 構造解明(2022年6月より) | 正常解剖と比較することで、口唇口蓋裂患者の違いを予測し、よりよい治療計画の立案を検討する。(形成外科) |
| 20221091 | 耳鼻咽喉科頭頸部外科における解剖献体を用いた臨床解剖および新規治療法開発研究(2022年より) | 解剖献体を用いて耳鼻咽喉・頭頸部領域の治療成績向上や新たな治療法・機器の開発、機能温存を目的とした研究および頭頸部・聴覚器における教育活動を行う。(耳鼻咽喉科・頭頸部外科 オプトアウト文書) |
| 0231173 | ご献体を用いた全身の血管網の検討(2023年月より) | 皮膚皮下組織の血管の走行を確認することで、 皮弁の血行、ならびに新規皮弁の開発の糸口とする。(形成外科) |
終了した承認研究課題
「人体(献体)の血管を対象とする光超音波による3次元構造可視化並びに光音響特性測定に関する研究」(2015年9月より)
概要:全く新しい画像診断装置を用い血管およびリンパ管を撮影しその光音響特性を計測するとともに画像の解剖学的根拠を明らかにする。
「献体されたご遺体を用いたロボット支援前立腺全摘術におけるlateral approachの妥当性に関する組織学的並びに解剖学的妥当性と教育的有用性の検討」(2016年7月より)
概要:前立腺治療におけるロボット手術の有用性を組織学的および肉眼的に観察し手術の解剖学的妥当性を研究する。その結果から手術手技の教育的効果についても検討する
「脳神経外科手術のための献体を用いた微小解剖研究」(2020年3月まで)
「献体を用いたテラヘルツ波による人体組織の電磁学的特性の解明」(2020年6月より)
概要:テラヘルツ波を用い人体各組織の光吸収特性を測定する。これにより新しい画像診断技術の創出および生体内の様々な生理的現象を全く新しい観点から捉え様々な病態の解明につなげる。
お問い合わせ・ご連絡先
〒160-8582
東京都新宿区信濃町3 慶應義塾大学医学部解剖学教室
高詰 佳史
電話:03-3353-1211 内線:62605